高麗川清流

高麗川コンクリート遊歩道に反対し計画再考を求める会

市民を情報から遠ざける市の今回の姿勢、12年前のこの一件から

◆日和田山、ふるさとの森での埼玉県による生活環境保全事業
 12年前の、この県市共同事業をご存じだろうか。
 20004(平成⒗)年、9月15日付け広報ひだかに、埼玉県の生活環境保全事業についての記事が掲載され、意見募集がありました。事業地は日和田山のふるさとの森で、予算1億4000万円。
「生活環境保全林とは、森林の機能を発揮させるため、治山事業の一環として遊歩道や東屋などの利用施設を整えレクリエーションの場として活用」という説明で行われる農水省事業で、都道府県が補助金によって実施し、市町村が協力します。治山事業にソフトな趣を施してあるのですが、実態は土木公共事業です。治水とストレートに言わず、生活環境保全事業という中身がよく分からない仕組みと説明になっています。
 この広報を見て、内容がよくわからないとして一層の説明を求める市民要望が起こりました。県による説明会が2度行われ、日和田山頂上での現地説明会も行われました。結果、中腹までのコンクリート遊歩道が中止され、山中に建設予定の3基の堰堤も中止され、予算は大幅に減額されて実施されました。
 写真は、当時、配布された反対のチラシです。この他にも、一つ一つの工事について、山をよく知っている市民による調査報告が配布されました。間伐や植林、作業小屋以外の大半の建設事業が否定されたのです。この時も、“市民に相談も説明もない”出来上がった計画が前提でした。

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 今回の、高麗川まるごと再生プロジェクト事業は、この轍を踏むまいとして、最初から徹底して隠し、例え一部地域で疑問が呈されても強行突破されてきました。知らせたら必ず反対される、という“日和田山学習効果”が最大限発揮されました。ところが、密かに進めてきた最後の大事業が工事着手寸前に“発覚”し、市民に知られることになりました。
 12年前の生活環境保全事業と今回の高麗川まるごと再生プロジェクト事業の本質は全く同じです。「健康やレクリエーション」「川の再生、親水空間・水質向上」などのソフトな仕掛けと趣旨による税金の無駄遣い公共事業であることです。胸を張って実施できない事業を秘密裏に進める方向に学習効果が行ってしまう。残念で情けないことです。
 12年前の時は、A氏が積極的に情報解析し、市民説明会実施に漕ぎ着けました。その間、現知事とも相当な激しいやりとりがあったようです。
 その時の資料の一部が手元にありました。再び、同じようなことが起こるかも知れないと思ってです。
 予感は当たりました。今度は日高市が主役として、政治家も、知事、県議、市長が三者三様の思惑と動きが合算された形で地方自治に逆行する酷い結果になりました。地域の歴史と資産と伝統を破壊する政治が日高市でなぜ可能となるのか。行政も結局、その方向に引っ張られ、同じ道を歩む事になってしまうのだ。